十二の暦の物語【短編集】
「いくぞー!!」

50mくらい向こうから、バトンを持った光輝君が私に手を振った
大きな声は出ないけど、できるだけ大きく手を振って答えた

それから直ぐに光輝君がトップスピードで走ってきた

目安にした線を光輝君が越えたと思ったら、即行で走り出した・・・つもりだったんだけど・・・

「・・・ぉわ!!!!ぶつかるぶつかる!!!!」

『わぁっ』

ごちんっ

私なのか光輝君なのか分からないけど、かなり鈍い音がした
それと同時に、鼻にかなりの激痛

ああ―・・・今の鈍い音
私の鼻が硬かったからだったら嫌だな――
光輝君鼻血出てたらどうしよう・・・

なんて考えてたら




「わーっ!!」
「わ、悪りぃ飯田!!」
「てめっ、光輝!!夜月っち倒れたじゃねーかよ!!!!」
「夜月ちゃん、大丈夫!?」

『ぅ・・・あの・・・千明ちゃん・・・ティッシュとか持ってない・・・?』







「てめぇぇぇぇぇぇ!!!!光輝ィッ!!!!鼻血出てんじゃねーかよ!!!!」
「ぅわッ!!千明キャラ変わりすぎだってば!!!!」
「夜月ちゃんの美顔に傷付けやがってぇぇぇ!!!!」

び・・・美顔じゃないよ・・・
あと・・・早く・・・ティッシュ・・・

「大丈夫かよ飯田!?」

『ふぇ・・・』
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