十二の暦の物語【短編集】
帰り道、自然にニヤニヤしながら道を歩いた
リズミカルに前に出る自分のスニーカーのつま先を見つめながら、今日の会話を思い出した

『……やった…』

一ノ宮も、好きだったんだ
あんなにイイ曲ばっかなのに、何で皆そこまで好きじゃないんだろう?ってずっと思ってた
でも、一ノ宮が居て良かった
あれから、珍しく一ノ宮が1人でガンガン喋りまくって、ニヤニヤの視線を背後に感じながらも意気投合した
共通の話題ができたし
何より、自分が好きで好きでたまらないバンドを好きな人も好きだったなんて、こんな嬉しいこと無いよ


『…CD借りる約束しちゃったよ…』



文化祭まで、4日

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