十二の暦の物語【短編集】
次の日
教室に入るとダンボールの山が無かった

『やっと終わった…』

じゃあ、一ノ宮と一緒に作業するのも終わりかな
ホッとするのか寂しいのか分かんなくなっていると、美奈に四角いダンボールを3つ置かれた

『…何これ』
「神奈と空君の新しい仕事!ムラ無く塗ってね!墓石だから!!」
『…了解…』

また面倒な仕事が…
でも、また一ノ宮と一緒にできるんだ

「新しい仕事ですか…?」
『んー。墓石にするんだってさ』
「お化け屋敷っぽくなってきましたね」

一ノ宮が、ロッカーに絵の具セットを取りに行った
何か、楽しそうに見えた

『一ノ宮…こーゆう色塗り好き?』
「まぁ、美術部だから」
『ふーん…』

運動部じゃないのは知ってたけどね

それにしても、ホントに楽しそうに塗るなぁ
黒い絵の具と白い絵の具を丁寧に溶いて、上手いカンジ(墓石みたいな)に混ぜ合わせて綺麗に塗り始めた

『…一ノ宮、上手いね』
「そっ、そう?有り難う…」

あたしは不器用なんだけど、何もしてないと美奈に怒られるから、絵の具セットを取りに行った


< 162 / 190 >

この作品をシェア

pagetop