十二の暦の物語【短編集】
**** **** **** ****
靴箱からスニーカーを出して履いた
今日は木曜日で部活が無いから、ちょっと早い帰りだった
『あー…にしても疲れた…』
かったるそうにバッグを肩にかけて歩いていると、後ろから一ノ宮の声がした
「っ――桜井さんっ」
『あ、一ノ宮』
一ノ宮が靴のかかとを踏みながら走ってきた
足が地面に接地するたびに、カポカポ音がした
立ち止まって、一ノ宮を待った
『一ノ宮。靴、ちゃんと履きなよ。靴壊しちゃダメだよ』
部活柄で、つい口に出してしまった
「あっ、す、すいませんっ」
慌ててしゃがんで靴のかかとを直した
履き終わると、立ち上がって
「一緒に、帰りませんか…?」
『はっ?』
え、マジで言ってんの?
あんまりいきなりだったから、結構大きい声が出た
一ノ宮の顔がどんどん控え目な自信無さそうな顔になった
「す、スイマセン…ダメですよね…」
『べ、別に大丈夫。行こうよ』
「あっ有り難うございます!!」
パッと顔が明るくなって、頭を下げてきた
『いや、頭下げることじゃないから』
靴箱からスニーカーを出して履いた
今日は木曜日で部活が無いから、ちょっと早い帰りだった
『あー…にしても疲れた…』
かったるそうにバッグを肩にかけて歩いていると、後ろから一ノ宮の声がした
「っ――桜井さんっ」
『あ、一ノ宮』
一ノ宮が靴のかかとを踏みながら走ってきた
足が地面に接地するたびに、カポカポ音がした
立ち止まって、一ノ宮を待った
『一ノ宮。靴、ちゃんと履きなよ。靴壊しちゃダメだよ』
部活柄で、つい口に出してしまった
「あっ、す、すいませんっ」
慌ててしゃがんで靴のかかとを直した
履き終わると、立ち上がって
「一緒に、帰りませんか…?」
『はっ?』
え、マジで言ってんの?
あんまりいきなりだったから、結構大きい声が出た
一ノ宮の顔がどんどん控え目な自信無さそうな顔になった
「す、スイマセン…ダメですよね…」
『べ、別に大丈夫。行こうよ』
「あっ有り難うございます!!」
パッと顔が明るくなって、頭を下げてきた
『いや、頭下げることじゃないから』