十二の暦の物語【短編集】
『それでね?矢川君は、まだこの部分が因数分解できてないよね』
「…あ、そっか!」
『だからここの部分を因数分解していけば…x=-19になるの』
「ぁああ~~っ。すっげえな笹川!悪いな!!」
『うん。大丈夫だよ。それで、渡辺君もできた?』
渡辺君のノートに目を通すと、流石はA組の生徒で
ヒントを少し教えただけでしっかり解けていた
「神楽ちゃん、すっげえなっ。コレ1人で解けるとかっ」
『そんなこと無いよ^^』
「あーっ、わっりい笹川さん!ここ教えて?」
『あ、はいっ』
次は佐藤君のノートを覗き込んだ
『えーっとね…これは矢川君と同じでね?この部分が――』
スタアンッ
教室のドアがいきなり音を立てて開いた
「「「「………」」」」
ドアを押し開けたまま、仁王立ちしている男の子が居た
黄色と茶色のブロックチェックのキャップをかぶって
紫の指が出るくらい長い上着を着て
渡辺君達よりも遥かに身長の小さい(私よりは大きいけど…)男の子だった
少しだけ童顔な男の子の丸くてちょっと鋭い瞳が、じっと私達を見た
3秒後、大声で教室に入ってきた
「ちょっ、スイマセンっ!!神楽センパイ俺の彼女なんでっ!!近いっス!!」
ずんずん入ってきて、私の腕を掴んで立ち上がった
渡辺君達は、私と男の子を見上げて唖然としていた
「…え…神楽ちゃんて彼氏居んの!?」
「ってか中3?」
「え、マジでっ?」
『え、う、うんっ…』
「…あ、そっか!」
『だからここの部分を因数分解していけば…x=-19になるの』
「ぁああ~~っ。すっげえな笹川!悪いな!!」
『うん。大丈夫だよ。それで、渡辺君もできた?』
渡辺君のノートに目を通すと、流石はA組の生徒で
ヒントを少し教えただけでしっかり解けていた
「神楽ちゃん、すっげえなっ。コレ1人で解けるとかっ」
『そんなこと無いよ^^』
「あーっ、わっりい笹川さん!ここ教えて?」
『あ、はいっ』
次は佐藤君のノートを覗き込んだ
『えーっとね…これは矢川君と同じでね?この部分が――』
スタアンッ
教室のドアがいきなり音を立てて開いた
「「「「………」」」」
ドアを押し開けたまま、仁王立ちしている男の子が居た
黄色と茶色のブロックチェックのキャップをかぶって
紫の指が出るくらい長い上着を着て
渡辺君達よりも遥かに身長の小さい(私よりは大きいけど…)男の子だった
少しだけ童顔な男の子の丸くてちょっと鋭い瞳が、じっと私達を見た
3秒後、大声で教室に入ってきた
「ちょっ、スイマセンっ!!神楽センパイ俺の彼女なんでっ!!近いっス!!」
ずんずん入ってきて、私の腕を掴んで立ち上がった
渡辺君達は、私と男の子を見上げて唖然としていた
「…え…神楽ちゃんて彼氏居んの!?」
「ってか中3?」
「え、マジでっ?」
『え、う、うんっ…』