十二の暦の物語【短編集】
「俺、ココ入りたいんだけどさぁ」

和泉君が言いながら、壁に貼ってある私の通っている高校の紙を指差した

「なのに…なのになのに…っ」
『ど、どうしたの…?』


「センセーに「あ、お前それは無理だよ」って普通に言われたーーーーっ!!!!」
『そうなんだ…』
「ふっつーに言うんだぜ!!俺のアタマじゃ無理ってー…」
『そ、そっか…』
「それでっ!!」

和泉君が、人差し指をピンと私の目の前に立てた

「今から勉強教えて下さいっ!!」
『あ、うん。いいよっ』

ぱあっと顔が明るくなった
そして、可愛い事に跳ね始めた

「っしゃあっ!!神楽センパイ大好きーっ!!!!」
『い、和泉君っ。そんな大声でっ…』

恥ずかしいよっ

「いーじゃんいーじゃん」
『そ、それと…一応…塾の中だから…自習室で勉強してる人も居るからね…』
「アハハ。ゴメン」
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