十二の暦の物語【短編集】
「…え…」
「5ー!!!!」
カウントをするやたら五月蝿い声を出すのを止めて
腕を、だらんとさせて信じられない顔で私を見下す
もう、こうなったら…最後まで…
『好きですっ…中学の頃からずっと…』
「4ー!!!!」
カウントの声が遠くに感じる
真っ赤になりながら必死に想いを伝えた
『全然会えなかったけど…好き…』
「3ー!!!!」
ぐい
3秒前カウントと同じタイミングで、いきなり横に引っ張られた
よろけて、和哉に近づいて、それから全く間もなく、
私は顔を真上に上げて
和哉の瞳は私の目の前で閉じられていて
私の唇は――
和哉と重なって