十二の暦の物語【短編集】

受験 受験 受験 受験 受験 チョコ

放課後の教室
ウチと親友の2人だけ

教室の隅に置かれたカレンダーに目をやると
【14】の数字に赤くハナマルが書かれてる

14日…バレンタイン…

恋する全ての女の子の決戦の日…

『…ねー』

シャーペンのノック部分を顎に当てて、目の前に座ってる親友に声をかけてみる

「んー?」

頭を下げてガリガリ問題集を解く手を休めずに答えられた

『14日ってさー。バレンタインなんだよー』
「知ってるー」
『茜音(アカネ)はやっぱ翔人(カケト)にあげんのー?』
「多分ー。時間あれば」

翔人は茜音の彼氏
高3の受験生

『翔人も大変だねー。大学受験なんてー』
「馬鹿」

ばこん。
呟くと、頭を分厚い参考書で引っぱたかれた

『いてェっ!!』
「馬鹿だねサラは」

【サラ】はウチのあだ名
名前が【如月】で、【きさらぎ】って言いにくいから
【きさらぎ】から2文字抜いて【サラ】
結構可愛いから、気に入ってるかも

『馬鹿じゃないっスよ』

叩かれた頭がそれなりに痛くて、叩かれた部分を押さえて半ば涙目で反論する

「いーや馬鹿っスよ。現実逃避すんな。受 験 生!!」

最後を強調して怒られた
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