十二の暦の物語【短編集】
**** **** **** ****
あたしの眠気でぼやける視界の先で、日直の2人が何か言ってる
んー…眠い

「起立」

あ、もう終わりだ
急いで立ち上がって挨拶をする

「さようなら」
「「「「さようならぁー」」」」

『部活ー!!!!』

一気に眠気が吹き飛んだ
バッグを引っ掴んで教室を出て階段を駆け下りる
体育館に入ると【剣道部】と書かれた部屋に入る

『こんにちはー』
「こんにちはー」
「あ、弥生先輩だぁー」

剣道部員の女の子が着替えをしながら振り返る
あたしも早速ロッカーに荷物を入れて着替えだす

「弥生先輩ー」

袴を履いている時、あたしの背中の向こうで1年生エースの綾乃(アヤノ)ちゃんがあたしに話しかけてきた

『何ー?』
「今日、3年生遊びに来るみたいですよー」
『ホント!?』

即座に振り返る
綾乃ちゃんはちょっとビックリして答えた

「え、あ、ハイ…もう受験もひと段落ついたから。って…言ってました…」
『へぇー…』

3年生?
じゃあ
照(ショウ)先輩も来るのかなぁ
< 54 / 190 >

この作品をシェア

pagetop