十二の暦の物語【短編集】
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「「「「卒業おめでとうございまーーーす!!!!」」」」

ぱんぱんっ

3年生が体育館に入ってきた瞬間、クラッカーの乾いた音が体育館いっぱいに響いた

「ぇ!?」
「え、何、ドッキリ?」
「は?え??…何か理解できねー!!」

3年生は皆ビックリしてる

卒業式の後、3年生は家に帰って1,2年生は体育館の片付け
ひと段落ついたら3年生を体育館に呼んでプチ卒業祝いパーティー

…まぁやるのは今のクラッカーと、3年生に最後の剣道の指導してもらって、最後に花束を渡すだけなんだけど…

3年生以外の部員は皆剣道着に竹刀。防具一式

「…ぁー…じゃあ、最後の指導を、始めましょう。ね」

照先輩が少し戸惑いながらも他の3年生に言う

「「「「お願いします!!」」」」
『…お願いします…』

あたしは少し遅れて小さく挨拶する

だって、哀しいから。寂しいから

先輩の口から【最後】なんて、嫌だったから

「…弥生ちゃん…?」
『ぅえっ!!ぁ、はい!?』

振り返ると、照先輩がちょっとビックリしてあたしの後ろに立っていた

『ぁ…あのっ、指導お願いしても…良いでしょうか…』
「あ、全然イイですよー」
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