十二の暦の物語【短編集】
「卯月ー!!おまたせー♪」
『お疲れ様ー!!』
先輩が制服を着て部室から出てきた
やっぱ制服の着方はゆるいんだね…
「行こーぜー♪」
先輩がずんずん先に行くから、慌てて小走りで先輩の後を追った
2人とも黙ったまま数分歩いて、先輩がいきなり口を開いた
「卯月さぁ」
『はい?』
「何で陸部入るのためらってんの?」
『え…何でそう思いました?』
「だって、卯月陸上の事話してるトキすっげ楽しそうだし、すっげぇ陸部好きっぽいのに、部活見学してるし」
『…』
「何かあったの?中学のトキ。虐められてたとか?」
『いや…そんな事は無かったんですけど…』
「ふぅん…もしかして…オトコ絡みとか?」
「…そーなんだ…卯月分かりやす」
『…よく言われます』
「え、何々?彼氏取られたとか?」
『いやぁ…彼氏以前でしたよ…3年間好きだった人があたしと同じ陸上部で…卒業式の時に告って撃沈したんですけどね?』
「へぇ…」
『口では【速くない】って言ってるけど、めっちゃ速い人だったんですよ。全国レベル?【モテない】って言ってるけど、すっごいカッコイイ人だったんですよ』
「…」
『で、告白したらあっさり「ごめん」って』
「…」
『何かトラック見ると思い出しちゃうんで…未練タラタラですよね…』
「…それで、陸部入んないの?」
『いや…今日遼先輩と喋って、やっぱ陸上楽しいって思いました!!それに男子に振られたって部活決めるなんて、意思弱いですよね!!』
「そーだそーだ!!意思弱いぞ卯月!!」
ばんばん背中を叩かれた
「負けんな!!卯月を振るなんて節穴の目を持った男と思え!!」
『はいっ(笑』
「そんで陸部で俺等と青春しよーぜ!!!!」
夕日に照らされて
親指を突き立ててあたしに思いっきり笑いかける先輩の顔は
とても素敵だった
風が吹いた
オレンジの光に、薄桃色の桜の花弁が舞う
『お疲れ様ー!!』
先輩が制服を着て部室から出てきた
やっぱ制服の着方はゆるいんだね…
「行こーぜー♪」
先輩がずんずん先に行くから、慌てて小走りで先輩の後を追った
2人とも黙ったまま数分歩いて、先輩がいきなり口を開いた
「卯月さぁ」
『はい?』
「何で陸部入るのためらってんの?」
『え…何でそう思いました?』
「だって、卯月陸上の事話してるトキすっげ楽しそうだし、すっげぇ陸部好きっぽいのに、部活見学してるし」
『…』
「何かあったの?中学のトキ。虐められてたとか?」
『いや…そんな事は無かったんですけど…』
「ふぅん…もしかして…オトコ絡みとか?」
「…そーなんだ…卯月分かりやす」
『…よく言われます』
「え、何々?彼氏取られたとか?」
『いやぁ…彼氏以前でしたよ…3年間好きだった人があたしと同じ陸上部で…卒業式の時に告って撃沈したんですけどね?』
「へぇ…」
『口では【速くない】って言ってるけど、めっちゃ速い人だったんですよ。全国レベル?【モテない】って言ってるけど、すっごいカッコイイ人だったんですよ』
「…」
『で、告白したらあっさり「ごめん」って』
「…」
『何かトラック見ると思い出しちゃうんで…未練タラタラですよね…』
「…それで、陸部入んないの?」
『いや…今日遼先輩と喋って、やっぱ陸上楽しいって思いました!!それに男子に振られたって部活決めるなんて、意思弱いですよね!!』
「そーだそーだ!!意思弱いぞ卯月!!」
ばんばん背中を叩かれた
「負けんな!!卯月を振るなんて節穴の目を持った男と思え!!」
『はいっ(笑』
「そんで陸部で俺等と青春しよーぜ!!!!」
夕日に照らされて
親指を突き立ててあたしに思いっきり笑いかける先輩の顔は
とても素敵だった
風が吹いた
オレンジの光に、薄桃色の桜の花弁が舞う