十二の暦の物語【短編集】
「あ、でも告白するチャンスはすげー有るよ。良かったな皐月」
『べっ…別にそんなチャンス…要らないもん』
「ぅわ。馬鹿だ。馬鹿だコイツ」
『なにをぅ!?』

お兄ちゃんがあたしの反応に笑ってから涙を浮かべたニヤニヤ笑いで言った

「お前好きなヤツ居んだろ。同じクラスで同じ班の佐々木 明(ササキ アキラ)君」
『なっ…何で知って…』
「あーーーー。本物の馬鹿だぁ」
『だから…何で…』
「一緒に飯食ってりゃ分かる。お前の口から何回ソイツの名前出てると思ってんだよ」
『ぇっ…!!!!』

そ…そうだったの!?
はい。あたしはお兄ちゃんの言う通り同じクラスで同じ班の佐々木 明に恋してマス
いやぁ…あたしがそんな分かりやすい奴だったとは…

『そ…そう?』
「うん。だからキャンプで告れよ。あのキャンプのテンションに任せて言っちまえ」
『はぁ…』
「じゃーな」
『おやすみ~…』

ばたん。ドアが閉まった
枕に顔を埋める
そうかぁ…キャンプで告白かぁ…
うーん。そーか…うーん…




どーしよ…



がちゃ

「そーだ皐月」
『何?』
「キャンプにお菓子持ってった方がいいぜ」

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