十二の暦の物語【短編集】
「ぉ、皐月速ぇじゃん」
『はは…この為に毎日部活で鍛えてますから…』

明に追いついた
重い荷物持って全力疾走したから汗かいちゃったけど、校門まで残り100m
バス出発には間に合いそう

『ぅあーーーー。暑ぃーーー』
「あははっ。お疲れー」

そう言いながらキャンプのしおりでパタパタ仰いでくれる

「あ!センセー!明と皐月来ましたー!!!!」
「お前等おっせぇー!!!!」

校門の近くで皆が叫んでる
え、間に合ったけどやっぱダメ?

「お前等遅い!!時間管理ができないのか!!!!」

先生に怒られた

「いやぁ…そこの交差点で力士と一戦交えたもので…」

明…適当な事言ってるし
先生は怒りながらも笑ってる。明の適当さって凄い

「適当な事言うな。で、皐月は?」
『あっ、あたし?あたしは…力士と戦う明を応援してました』
「お前もか!!」

先生は怒りながらも笑った後、バスに乗せてくれた
バスに入ると即座に茶化され始めた

「あ、皐月と明一緒に遅刻~~」
「お前等朝まで愛を育んでんじゃねぇよー」
「ばっ、おま、ちがっ」

明が焦りながら否定する
あたしはそれを見ながら席に座ろうとすると…

『…すんませんそこ私の席なんですが』
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