哀しみの音色
12章 あなたがすき。
 
初めてあなたに出逢ったとき

幻を見ているかと思った。


蓮に会いたくて、あたしが生みだした幻。


だけど近くに来たその人を見て、蓮じゃないと分かった。



(あんた、名前なんて言うの?)
(え?……相沢…樹、だけど……)


相沢樹……


そう、彼は蓮でもなんでもなかった。

 
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