哀しみの音色
3章 読めない心
「………ん…」
気が付けば、朝だった。
目を開けて、視界に映ったものを見て、俺は思わず驚きの声をあげた。
「うわっ……」
俺の目の前には、静かな寝息をたてて眠る水島莉桜。
なぜ!?
と、寝ぼけた頭で一瞬思ったが、すぐに昨晩のことを思い出した。
そっか……
昨日、こいつを家に連れて帰ったんだっけ……。
熱があるのに、帰らないとか言うから……。
「いてて……」
立ち上がって、思わず腰を抑えた。
体のあちこちが痛い。
ベッドを彼女に貸していたうえに、手を握りっぱなしだったため、俺は必然と座ったまま眠ることに。
そのせいで、体の節々が痛かった。