哀しみの音色
「じゃあ」
そして今度こそ、立ち去っていく彼女。
俺もそれ以上、彼女に何も言うことはなかった。
これが、俺…相沢樹(アイザワイツキ)と、水島莉桜(ミズシマリオ)の出逢い。
この時の俺は
大学で、超綺麗な子と話した!
程度でしか思っていなくて、
この先自分が、彼女と深くかかわるなんて思ってもいなかった。
彼女の背負っているものはとても重く
近付いても近付いても、触れることが許されない心の奥底。
ただこの日、一番印象に残っていたのは
超綺麗な子
よりも
冷たい瞳
のほうが強かった。