またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


お母さんとおねえの話によると、悠宇があたしを抱えて家まで来たらしい。


ほんとに悠宇には申し訳ないことばかり……。


あのあと、冷血王子はどうしたんだろ。


2日前のあたしはそればかり考えていた。



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「どうして、冷血王子があたしを助けるのよ?」


あたしはニナに詰め寄った。


「それはわからないけど……すごかったんだよ!!美和が落ちて悠宇が真っ先に助けようとしたら伊月くんが悠宇に俺が助けるから。って言ったの!ちょーカッコ良くない?」


……何その現実味のない漫画のような話。
あたしの呆れ顔をよそにニナは続ける。


「そこでね!そこでね!悠宇が、俺が助けるから引っ込んどけ!ってなってね!でも、伊月くんは俺が助けるってなってね!」


ちょ、ちょ、ニナさん。興奮しすぎじゃね?


「……で、どうなったの?」


「なんとそこでね突つかみ合いみたいになっちゃってね!結局は伊月くんが美和を追いかけるように海に飛び込んだの!」


……なんか、やっぱり現実味がない。






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