またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
そーだけどって、あの病院の息子!?
「総合病院だよ?総合病院?あの大っきな病院でしょ?え?え?」
「知らなかったのかよ、お前。」
みんな知ってるぞと付け加えた。
「あ、え……えっと、おお坊っちゃまさんに先ほどはし、失礼なことを……」
「うるせー。遅いわ、バカ」
そう言って軽くあたしの頭を叩いた。
「なっ!バカじゃない!……もういい!病院の息子だろうとお坊っちゃまだろうと関係ない!」
うん。媚びるのはやめよう……
下心丸見えだ。
空港には溢れかえるほどの人混みだ。
そんな中アナウンスが鳴り響いた。
「20時発フランス行きの方搭乗願います。」
「おい、走るぞ」
有無も言わせないかのようにあたしの腕を掴んだ。
香穂ちゃんの後ろ姿を探したが見つからなかった。
時間も時間だしもう、搭乗したのかも……
そんな、諦めた瞬間あたしを呼ぶ声がした。