またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
再び二人に目をうつすと香穂ちゃんは顔に手を当てて涙を流していた。
「私も、ともに出逢えてよかったよ?……ありがとう。幸せになってね。」
「……香穂も、な。」
伊月から受け取ったハンカチで涙を拭いた香穂ちゃんはすごくいい顔をしていた。
「……美和ちゃん?」
「はっ、はい?」
お土産屋さんに夢中でしたと言わんばかりにせんべいの箱を手に持って振り返った。
だいたい話を聞いていましたなんて言えないからね。
「美和ちゃん!ちょっと……」
香穂ちゃんはあたしに向かって手招きをした。
あたしは不思議ながらも香穂ちゃんの元へ。
耳かして。と言う彼女にあたしは髪をかきあげた。
「とものこと、よろしくね。」
耳打ちでそう言った、香穂ちゃんはにっこりと微笑んだ。
そして、あたしたちに深く礼をしてから搭乗口に入って行った。