またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
✡side 悠宇
今度また悠宇の家遊びに行くね!なんて言い残し去って行った君。
何が、気持ち伝わるといいね だよ。
何が、応援してる だよ。
あいつは何もわかっていない。
鈍感なやつ。それともわかっていてそう言っているのか。
まぁ、計算して動くようなやつじゃないからそれはないか……
好きな子いたんだね。ってお前に言えるわけないだろ。
元があいつのこと好きになる前から俺は美和が好きだった。
でも、俺は美和が元のこと好きだって知ってたから気持ちを伝えることはしなかった。
あの二人が幸せならそれでよかった。
よかった。
でも、元が亡くなってから変わってしまった。
人前では笑うあいつは陰でいつも泣いていた。
それから俺は美和を守ろうと決心した。
でも、あいつは俺の前では無理するばかりで。
心を開いたのはともだった。
俺じゃだめなのか。
俺じゃ、元のかわりになれないのか。
あぁ、さっきの女子と同じことを言っている自分に笑った。
「いつまでそこにいるんだ?」
壁に隠れたやつの影がゆらりと揺れた。