またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
8◆シンデレラはあたし!?
「今年の文化祭は劇でシンデレラをします!!」
学級委員長のニナが教卓の前に立ち黒板にシンデレラと書いた。
ああ、もう文化祭の時期か。
季節は夏から秋に変わり、鮮やかな緑色だった葉もだんだんと紅葉になっていった。
あの強化合宿からとくに夏休みは何もなかった。
お祭りに行ったり海に行ったり…
そこそこ充実した夏休みを送っていたんだけど……受験生のあたしは全くと言っていいほど勉強していなかった。
ちゃんと勉強したのは合宿で伊月に教えてもらったことぐらい。
このままじゃやばいよね……。
あたしは一人頬杖をつきながら窓の外を見ていた。
「シンデレラの役決めなんですけど、やりたい役ありますか?」
「はーい!!伊月くんを王子様に指名しまーす!!」
「あたしもー!!」
「伊月くんが王子様ならあたしシンデレラやるー!!」
と、一斉にそんな女子の声があがった。