またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
「あんた、趣味悪すぎ!人が泣いてるとこ見て笑ってたんでしょ?サイテーな王子だこと!」
あたしは両手で顔を覆った。
「笑ってねーわ。残念ながら、人の不幸を笑えるほど曲がってませんから?俺も悩んでたし。」
「人気者の王子様でも、悩み事あるんだ。」
外見を見てるだけじゃ悩み事なんてなさそうに見えるのに。
やっぱり抱え込んでる人もいるんだ。
人は見た目で判断しちゃいけないってことか・・・
「おー。そりゃー沢山。モテ過ぎることとか?」
「・・・そりゃー贅沢な悩みですなー?」
前言撤回だわ。
やっぱり、性格曲がって・・・
「悩むことができるものだけが生存に値いする。」
「・・・へ?急に何を言い出すの?」
あたしは冷血王子を見据えた。
その表情は、その茶色に透き通った瞳は悲しそうだった。