またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
「……ま、そうだけどな。」
伊月はどこか遠い目をして呟いた。
キャンドルを灯し終えたカップルたちは皆笑顔で……あたしだけ別世界の人間のように思えた。
「けどさ、願うぐらいいんじゃねぇの」
そう伊月はポツリと言った。
「……願う、?」
「ここに来る奴らはさ、少なからずそう思ってんじゃねーの?お前の言う通り永遠なんてない。でも、好きなヤツとずっと一緒にいたいって願うのは自由だろ。」
少し微笑む伊月の横顔。
「……うん。そうだね。」
あたしはキャンドルとペンを取りに行ってそのキャンドルに名前を書いて伊月に渡した。
「はい!名前書いて!」
「は、?なんで俺が……」
「伊月が連れてきたんだから名前ぐらい書いてよ。」
少しムッとなっていた伊月だけど、あたしからキャンドルを奪うとそこに同じようにローマ字でITSUKIと書いてくれた。