またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


「……キス、したことあるんだろ?」


そう、あたしの耳元で甘く囁いた。



「………っ////」



「どうなんだ?」


何も言い返せず黙っているあたしを見つめた。


でも、何も言い返せなくて……



「お前、熱でもあんのか?……いつもなら言い返すだろ」



「……わかんない。」



「……あ?」



「わかんなくなった。」


いつもなら、アホだのバカだの言い返すのに……



そのときふわっと白いものが降ってきて……


「あ、雪だ……」


まるで夜空から舞い降りてくる真っ白な羽のよう。

今日はホワイトクリスマスか。



伊月はそっと離れるとあたしの頭をなでた。



「お前が泣き止まないから脅かしただけ。悪かったな」


伊月はそう言って頭から手を離した。




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