またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


「寝るまえに風呂入れよ。それとちゃんと髪乾かせよ。風邪ひくから。」



「………うん。」



「間違ってもそのまま寝んなよ。」



じゃあ、と言った君はあたしに背を向けて離れて行く。


どんどん遠のいて行く君の後ろ姿に、気がつけば叫んでいた。




「………伊月!!」



君は振り返る。

何もないのに呼んでしまった……



「…どうした」


いつもと違う優しい声にキューっと胸が締め付けられる。

この感覚、あたしは知っている。




「お、おや……おやしゅみ!」


少し離れた場所でふっと、吹いて笑う伊月の声。


「…ん、おやすみ」


伊月は笑ってそう言った。








気づいてしまった。

これはいつから始まったのだろうか。

いや、いつから落ちたのだろうか。






あたしは多分、









伊月が好きだ────────。










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