またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


「……知ってるよ。」


そう言うと、周りの三人は驚いたように目を見開いた。


「どうして知ってるの?」


ニナは問い詰めるようにそう言った。



「夏合宿のとき……緒形から聞かされた。」



「夏合宿って…だいぶ前じゃん。」


桃香は驚いた様子だった。



「うん……、伊月は知らないよ。あたしが知ってること。」



すると、麻央があたしの肩を掴んだ。



「美和はそれでいいの?ちゃんと気持ち伝えなくていいの?」


麻央の真剣な表情に目を逸らしたくなる。


「だから、これは……恋なんかじゃないの!!ただ、なんか…寂しかっただけ!」


「美和……そうじゃないでしょ?ほんとは────」


「…あたしは、元じゃなきゃダメなの。伊月を好きだって思ったのも、元と瓜二つだから。…他に理由なんてないよ。」



ニナの言葉を遮ってあたしはそう言った。


どうしようもなく、元のことがあたしの本当の気持ちを遮る。



何が本当で嘘なのか、あたしですらもうわからなくなってしまった。


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