またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


結果はなんとか合格範囲内のBだった。

夏休み前に受けた模試では圏外だったからすごく嬉しかった。



「みんなと一緒の大学行きたいだろ。最後まで頑張るんだぞ!」


「はい!!」



うちの高校はエスカレート式で大学に進学できることになっている。


そのほとんどが、みんなその大学に進学するため大学でも一緒になれるのだ。



るんるん気分で職員室から出たとき。
同時にとなりの会議室から伊月が出てきた。


パチッと合わさった目と目。

びっくりしてあたしは目を逸らす。


この気持ちが恋じゃないとしても、ドキドキはおさまらなかった。



「あ、あ、……ニナ待ってるんだったあー」


ニナが待ってるわけでもないのに、あたしはついそうなことを言ってしまった。



やば……逃げよ


そう、背を向けて逃げようとしたら……



「……待てよ、」



と、腕を掴まれた。



「な、……な、に?」


背を向けたままあたしは振り返らなかった。



「あからさますぎんだろ。」



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