またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
「……お前には関係ねーだろ」
「そ、そだね……」
そうだよ。関係ない。
あたしにはこれっぽっちも関係ない。
でも、伊月の言葉がグサッと胸に刺さって痛い。……苦しい。
やがて腕から離れた君の手。
さっきまでの熱はどこかに行ってしまったようだ……。
「……頑張れよ」
「……え、?」
その言葉が伊月のものだとわかったあたしは顔をあげた。
「試験、頑張れよ。間違っても名前入りのえんぴつに番号書いて転がすんじゃねーぞ」
「なっ!!そ、そんなことしないから!!」
伊月はいつもあたしの期待を裏切る。
冷たくするならそのままにしてほしかったのに……頑張れよ、なんて言わないで。
だから、だから……
「名前入りのえんぴつはビビったけどな」
「…まだ覚えてたの?…忘れてよ、バカ。」
「あれだけは忘れられねぇわ。」
そう言った伊月は、ははっと笑った。