またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
「……怖い、の。また違う誰かを好きになって愛するようになったら…
その人が、大好きな人がどこか遠くに行っちゃうんじゃないかって。怖い。」
緒形は空になった缶を両手で握りしめたまま下を向いていた。
「っ、辛いの…怖いの…。誰かをまた失うぐらいなら……もう、あたしは恋なんてしたくない」
「………」
「それに、あたしはこれからもずっと元だけだから……元のこと忘れたくない。だから、他の人を好きになんてなれない。」
「……じゃねーよ」
「…え?」
────カーン
「……甘えてんじゃねーよ!!」
緒形は立ち上がり空き缶を地面に叩きつけそう言った。
「何が、怖いだ辛いだ?ふざけんな。まだトモはどこにも行かねーだろ。お前のすぐそばにいるだろ。何で伝えねーんだよ!!」
「……だから、元みたいになったら」
「そんな被害妄想やめろ。だいたい何だ?他の誰かを好きになったら元が悲しむだとか思ってんの?だから恋しない?
そんなのな、ただの自己満足だろ。」
「お前の大切なやつはそんなこと本気で思ってると思うか?お前ならわかんだろ。美和がもし逆の立場なら好きなやつの幸せ願うだろうが………」
そう、言った緒形は少し息が乱れていた。