またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


あの泣いてるヤツが鉛筆の子だとそこで初めて気づいた。



あの場所に行くと、毎回のように泣いているアイツ。


彼氏にでも振られて泣いているのかと思ったが、違った。




時々、泣きながら叫んでいた。



「……もと、逢いたいよ。どうして、あたしをおいていったの?」



その後、教室で聞いた

アイツの幼なじみが亡くなった、と。



それも、ずっと好きだったヤツだってことも。



同じことを繰り返しているアイツを見ていると、昔の自分を思い出して嫌気がさした。



だから、強くあたったり責めたりした。



『じゃあ、あんたはこれからも泣き続けんるだ?あの時のように?』


『泣いたところで、叫んだところで、あんたの大切な人は戻ってくんの?』



アイツに言った言葉。


それは、昔の自分に向けた言葉でもあった。


アイツと俺は似ていた。


俺は昔兄を亡くした。

俺のせいで。


俺を助けたせいで兄貴は死んだ。



その事件のせいで、家族はバラバラに。


親の離婚、俺と姉貴は親父に預けられた。


みんな泣いていた。

でも、俺は泣けなかった。


俺のせいだから。




< 351 / 361 >

この作品をシェア

pagetop