またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
あの泣いてるヤツが鉛筆の子だとそこで初めて気づいた。
あの場所に行くと、毎回のように泣いているアイツ。
彼氏にでも振られて泣いているのかと思ったが、違った。
時々、泣きながら叫んでいた。
「……もと、逢いたいよ。どうして、あたしをおいていったの?」
その後、教室で聞いた
アイツの幼なじみが亡くなった、と。
それも、ずっと好きだったヤツだってことも。
同じことを繰り返しているアイツを見ていると、昔の自分を思い出して嫌気がさした。
だから、強くあたったり責めたりした。
『じゃあ、あんたはこれからも泣き続けんるだ?あの時のように?』
『泣いたところで、叫んだところで、あんたの大切な人は戻ってくんの?』
アイツに言った言葉。
それは、昔の自分に向けた言葉でもあった。
アイツと俺は似ていた。
俺は昔兄を亡くした。
俺のせいで。
俺を助けたせいで兄貴は死んだ。
その事件のせいで、家族はバラバラに。
親の離婚、俺と姉貴は親父に預けられた。
みんな泣いていた。
でも、俺は泣けなかった。
俺のせいだから。