またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
「……智哉。」
そのとき上から低い声がした。
親父が真剣な顔で俺を見据えた。
「……んだよ、説教なら」
「向こう行ったら勉強することはたくさんある。でも、お前ならきっと大丈夫だ。何かあれば電話しなさい。」
「……ん。わかった」
まともに親父と話すのは何年ぶりだろうか。
今まででもっとも親父らしく見える。
「んじゃ、行くわ。」
「……うっ……もとっ、元気でね。毎日連絡しなさいよねっ」
何、姉貴泣いてんだよ。気持ち悪い。
「…ん。わかったから泣くな化粧落ちんぞ」
すると、姉貴は え、ヤダ〜なんて言って涙を拭いていた。
なんだかんだ言って、俺は家族に支えられていた。
絶対言わねぇけど、……ありがとう。
結局、泣きながら見送った姉貴と親父に別れを告げ飛行機に乗り込んだ。