またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜
背後からそう低い声が聞こえてきてあたしは涙を拭くこともせず、振り返った。
あたしの目に映ったのは、ベンチで寝そべっている冷血王子の姿。
「・・・っ、なんであんたが」
すると、この前のように冷血王子はダルそうに起き上がった。
「目、真っ黒。」
冷血王子はそれだけ言うとあたしの目元を指した。
あたしは咄嗟に涙を手で拭った。
朝、化粧したマスカラが涙で取れていた。
やっぱり、ウォータープルーフ用のマスカラにしとけばよかったなんて後悔していたとき冷血王子があたしの隣に来て柵に腕をのせた。
「・・・な、何よ。」
あたしは冷血王子から少し距離を開けた。
「ん、?いや、悩んでるのは俺だけじゃないんだなーって。」
冷血王子はあの時と同じ悲しそうな目をしていた。
「なっ何よ!あんた女嫌いのくせにかの・・・」
「昼間のこと?」
あたしは冷血王子に言葉を遮られた。