またここで君に逢えたら〜*I love you even if far*〜


冷血王子のその言葉にあたしの足は止まった。


「・・・逃げるわけじゃない!帰るの!」


ほんとは図星。冷血王子が言っていることは当たっている。


「ふーん。じゃあ、あんたはこれからもここで泣き続けるんだ?あの時のように?」


・・・あの時とは元が亡くなった日にここであたしが大泣きしたことだ。

その光景を冷血王子は見ていた。


「あんたには関係ないっ!」


あたしは耐えられず化粧が落ちてボロボロな顔で振り返った。


すると、冷血王子はあたしの目を見つめた。

「じゃあ、一ついい?・・・泣いたところで、叫んだところであんたの大切な人は戻ってくんの?」


冷血王子はそれだけあたしに言うと、去って行った。


あたしはその場にしゃがみ込んで動けなくなった。


冷血王子が言った言葉が頭に浮かんでは離れない。


『じゃあ、あんたはこれからもここで泣き続けるんだ?あの時のように?』

『泣いたところで、叫んだところで、あんたの大切な人は戻ってくんの?』


わかってる、本当は。

振り切らなきゃいけないって、立ち直らなきゃいけないって。

もう戻ってこない人をいつまでも待ち続けて。

いつまでもここで泣き続けて。


冷血王子の言う通り
泣いた所で、叫んだ所で、

君が戻ってくるわけじゃないのに。


でも、それでも、

あたしは君が帰ってくることを待ち続けいるーーーーー






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