恋愛写真

「逃げてきたんだね…井上さん。」


そう言って僕は井上さんの

前で背中を向けてしゃがんだ。


「雄星くん…何のつもり……」


「背中…乗って。」


井上さんがどんな顔してるかなんて見えない。

だけど、1つだけ分かる。


「その足じゃ歩けない…」


「……えっ?」


「いいから早くっ!」


「………うん…//」


フワッと香る甘い香りと背中にかかる

井上さんの小さな体。


「雄星くん…何があったのか聞かないの…?」


井上さんは少し涙を擦りながら

僕にそう尋ねてきた。
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