恋愛写真

目的地なんてなかった。

ただ、たどり着いてほしいキミの優しさ。


アタシはボヤーっとしてただ、歩く。

そうして、たどり着いたのは……


甘い香り。沢山のケーキ。

そう。ここは玲美ちゃんのケーキ屋さん。


でも、今はいないんだ。

玲美ちゃんはここにはいない……。


アタシは自動ドアを通り抜け、

中へと入っていく。


すると、『いらっしゃいませ。』と

シェフ達はアタシを歓迎する。


アタシはすぅーっと息を大きく吸い込んだ。

そして、一気に声として吐き出した。


「深空さんいますかーっ!!」
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