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そっと夜空の方に目を向けた。
その星空がまるで俺の目には万華鏡に見えて…
「初めてこの夏が愛しいって思ったよ…俺。」
風が生まれたこの道もこの公園も…
春になれば又、シロツメグサとタンポポが咲く。
「ハルタのお陰なんだ。
だからお前には俺を頼ってほしかった。」
俺はハルタに小さく笑いかけた。
ハルタは一言も発せず空を見つめていた。
そして、俺の方を向かずに何か暖かい存在を
この空のどこかで探しているようにも見えた。
あー…そういうことか。
「俺は頼りねぇって言いたいんだな?」
「えっ…違っ…そんなこと……」
「じゃあ、何で俺に心を開いてくんねーの!」
俺はハルタをじっと見つめた。