恋愛写真

アタシが1人涙を落としていると

いきなり後ろからガバッとアタシを

抱き締める温もりが背中から感じられた。


アタシは思わず顔を上げた。


後ろからだから顔は見えない。

でも、分かるよ……


「はぁっ…はぁ…ハルタっ…」


息を切らして肩を上げるその感覚。

あなたは…


「ひゅぅ………」


アタシは後ろを振り返った。


傘を地面に落としてアタシの冷えた体を

大きな背中が守ってくれていた。


「ハルタっ…こんなとこでっ…はぁ…。なにしてんだよっ!俺……心臓がっ…壊れるかと…思った。」


ひゅーがアタシに上着をそっとかけて

立ち上がった。
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