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でも二人の間に入る隙間なんてありはしない。
「ひゅー…行ってらっしゃい。」
アタシはポンッと背中を押す。
彼の前でニコニコ、大人しく、可愛くしてれば、
好かれると思って媚びてるあの子。
アタシを見て睨む玲美ちゃんは本当に嫌な子…
だけど、自分の気持ちを押し殺し続けて、
今更好きだなんて言って引き止めようとしてる
アタシはもっと…嫌な女。
だから、アタシがいい女でいられる今の間に…
アタシがひゅーを引き止めてしまう前に……
「早く行って…」
アタシは落としていた傘をひゅーに渡した。
もぉ十分だよ…
愛しい横顔…アタシの瞳に焼き付けてた。