恋愛写真

小さく微笑んだ深空兄さんは

僕の…実の兄だった。


「井上さんっ!!どういう事…?」


僕が混乱した状況でそう言うと、

井上さんは少し頷いて又、話をはじめた。


「………ここには父も母も居ない…。父はずっと海外で仕事、母も大会社の社長。帰ってくる事も略無いわ。」


「それとこれとがどう関係あるんだよっ!!」


「……私が寂しがらないように
ここに送り込まれたのが兄さんなの。」


「えっ…?」


僕は思わず深空兄さんの方を見た。

ニッコリ笑う顔が昔と変わらない…。
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