何度でもまたあなたに恋をする
一度目の恋は一目惚れ

ファーストキスは耳たぶキス

バレない。絶対にバレない。
そう自分に言い聞かせて一歩、一歩と歩みを進める。

もし、こんなことがバレたりしたらとんでもないことになるのは確実。だけどどうしても、どうしてもお近づきになりたかった。


一目惚れしたあの人に。


私は、宮崎莉央。22歳。とある事情で今から姉の宮崎凛になりすます。こんなときお姉ちゃんと瓜二つの顔で良かったと思う。

というのもそのある事情がお姉ちゃんが働くはずの派遣先で私が替え玉として働くから。


「お願い!お姉ちゃん。私、どうしてもあの人と仕事がしてみたいの」



「だからってあたしの代わりにあんたが働くなんてバレたりしたらとんでもないことになるわよ。あたしがなんとか仲を取り持ってあげるから」


最初、お姉ちゃんは一世一代のあたしの頼みを断った。当然だと思う。


替え玉出勤なんてバレたら派遣元から確実にクビを切られるだろうし、ヘタしたら賠償金請求だってあり得るかもしれない。


それでもそんなリスクを犯してでもどうしてもお近づきになりたい。一目惚れした人と3ヶ月間だけでも一緒にいられたらそれだけで少しはいい思い出にもなる。

最後にそれくらいいい思い出が欲しかった。恋をした人と少しでも一緒にいられる時間が。
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