不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
卑怯な契約
桜咲く4月。
無事高校2年に進級出来たあたしは、新学期早々困り果てていた。
「お願い、辰巳さんしかいないの‼」
「あたしの為だと思って‼」
「で、でも」
「お願いだよ」
両手を顔の前で合わせて必死に頼み込んで来る派手なギャルを前に、どうすればいいのかわからない。
「頼みの綱は辰巳さんだけなの。ね、お願い‼」
頼みの綱って。
「そう言われましても」
「辰巳さんの友達として紹介してくれるだけでいいから‼」
そう必死になられたら、断ろうにも断りきれない。
それより
あたし達、友達だっけ?
喉から出かかった言葉をグッと呑み込む。
派手で目立つタイプのそのギャルは、まつ毛をこれでもかってほど盛っていて目力がハンパない。
明るいミルクティー色の髪を綺麗に巻いて、制服も下着が見えそうなほど着崩している。