不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
ポンッ
愛翔んちの前で立ち尽くしていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。
「おはよう、美久」
懐かしい声が聞こえた。
振り返ると、曇り空の中爽やかに微笑む結ちゃんの顔。
「結ちゃん⁉なんで⁉」
目を見開くあたしに、結ちゃんは王子様スマイルを向けて来る。
「夏物の服取りに帰って来たんだ。元気だったか?」
ずっと変わらない優しい笑顔。
あたしは結ちゃんのこの笑顔が大好きだった。
「うん……元気、だよ」
そう言いながら結ちゃんの隣に立つ人に視線を移す。
「どうも。初めまして」
結ちゃんの隣には綺麗な女の人が立っていて
その人はあたしを見ながら優しく微笑んでそう言った。
誰……?
「彼女の千花(ちか)だよ。で、こっちが幼なじみの美久」
結ちゃんはあたしと千花さんの顔を交互に見つめながら紹介してくれた。
「よろしくね美久ちゃん」
千花さんは優しい笑顔をあたしに向けて綺麗に微笑んだ。
ガキっぽいあたしとは違って、タイトで大人で。
メイクもバッチリしてるのに、全然派手に見えないしむしろ似合ってる。
かなりの美人。
「あ、よろしくお願いしますっ」
こんな人が結ちゃんの彼女だなんて。