不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


手招きで呼ばれて結ちゃんの後に続こうとした時



ガチャ



玄関が開いて愛翔が出て来た。



「兄貴⁉」



びっくりしたように目を見開いて、愛翔は結ちゃんの顔を見つめる。



「なんだ、起きてたのか。良かったな、美久」



びっくりしてる愛翔をよそに、結ちゃんがあたしに優しく笑った。



「う、うん‼」



良かった、ちゃんと起きてたんだ。



「弟さん?」



千花さんが愛翔を見てニッコリ微笑む。



「そ、弟の愛翔」



すかさず結ちゃんが千花さんに向かって囁いた。



「彼女の千花です、よろしくね」



「ども」



目を合わせることなくぶっきらぼうにそう言ってから、愛翔はあたしの顔に目をやった。



「迎えに行くっつったのに」



不機嫌な顔を向けて、同じようにぶっきらぼうな声を出す。



もしかして、機嫌悪い?


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