不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


「あんま美久に迷惑かけるなよ?」



結ちゃんが苦笑いしながら愛翔を見つめる。


なんだかんだ言いながらも、結ちゃんは愛翔のことが心配らしい。


そしてあたしのことも。


それが妹にしか思われてない証拠。



「うっせぇなぁ。迷惑かけられてんのは俺の方だっつの」



「なっ……あたしがいつ迷惑かけたのよ?」



「毎日かけてんだろ?」



「それは愛翔でしょ‼」



言い合うあたし達を見て、結ちゃんは面白そうに笑ってる。



全然面白くないんですけど‼



昔から愛翔は結ちゃんに対して態度が悪い。



「美久ごめん、愛翔のことよろしくな」



「……」



結ちゃんに言われたら断れないから渋々頷く。



あたしと結ちゃんのやり取りを、愛翔は面白くなさそうに見つめていた。



「もしかして……2人は付き合ってるの?」



千花さんが歓喜の声を上げて


あたしに向かってキラキラと目を輝かせている。



綺麗な人なのに、こんな子どもみたいな一面もあるんだ。


見た目はもちろん、悪意のない笑顔は見惚れてしまうくらい綺麗。



「美久ちゃん?」



「えっ⁉」



名前を呼ばれてハッとする。



しまった‼

トリップしてた‼



「あ、えっと……なんですか?」



「愛翔君と付き合ってるの?」



「えっ⁉」


< 119 / 266 >

この作品をシェア

pagetop