不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


えーっと……。


元はといえばただの愛翔の暇つぶしなわけで、付き合ってるなんて言っていい関係じゃない。



「ただの幼なじみなんで」



どう答えようか真剣に悩んでいると、愛翔のぶっきらぼうな声が響いた。



ダルそうに突っ立って、千花さんを真っ直ぐ見つめている。



ただの幼なじみ……。


確かにその通りなんだけど


無表情でそう言われて胸が痛んだ。



あたしと愛翔の間にはそれ以外の繋がりはないって言われたみたいで、一気に気分が沈んで行く。



ただの幼なじみ……。


そう言われるくらいなら、付き合ってるって言ってくれた方がまだ良かった。



友達でもなんでもない


ただの幼なじみ……。



愛翔にとって幼なじみのあたしは

きっと友達以下。


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