不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


「あたし達付き合ってるよね?」



愛翔の隣に立ってそっと腕を取った。



そして千花さんに向かってにっこり微笑む。



「やっぱり〜⁉だと思った‼2人、すっごいお似合いだね」



綺麗な笑顔を浮かべる千花さん。



嫌みのない真っ直ぐな瞳がなんだかすごく純粋に見えた。



「ほ、ほら早く行こ。じゃああたし達はこれで」



「お、おい」



返事も聞かずに愛翔の腕を引っ張ってそのまま門を出た。



どうしてこんな行動に出たかは自分でも謎。



幸せそうな2人を見て、反発したくなったのかもしれない。



「良かったのかよ?」



腕を引っ張って歩くあたしに、愛翔の無愛想な声が聞こえた。



「なにが?」



「なにがって……」



言葉を呑み込む愛翔を見て首を傾げる。


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