不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
アイツとの距離
休みが明けた月曜日の昼休み。
「で、その後どうしたの?」
久しぶりのお天気ということもあって、あたしとまどかは中庭でお弁当を食べていた。
「んー、普通にブラブラしてすぐ帰ったよ」
「えー‼ロマンスはなかったの?ロマンスは」
ロ、ロマンス……って。
「あるわけないでしょ?無理やり連れ出したせいでずっと不機嫌だったし」
そう、愛翔はあの後ずっと機嫌が悪かった。
話を振るあたしにニコリともしてくれなくて、それほど嫌われてるのかってさらに気分が落ち込んだ。
「不機嫌、ねぇ。なんか他に理由があったんじゃないの?無理やり連れ出したからってそこまでならないでしょ」
お弁当箱をカバンにしまいながら話すまどかをじっと見つめる。
「他に理由なんてないよ。あたし……嫌われてるんだよ」
小さくそう言うとまどかと目が合った。
「気になってるんでしょ?愛翔君のこと」
「べ、別にっ、そんなこと……」
「美久見てたらバレバレだよ?」
「うっ……」
確信を得たまどかの有無を言わさない顔に、言い返す言葉が見つからなくて口を結んだ。