不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
ハァハァと肩で息をしながら、無我夢中で中庭を駆け抜けた。
突き刺すような視線を気にもとめずに、あたしはただ目的もなく走り続けた。
「ハァハァ」
階段を一気に駆け上がって、屋上へと続く重い鉄の扉を押し開けた。
その瞬間────
ゴンッ
そんな鈍い音と一緒に、扉になにかが当たった感触がした。
ゴンッって……結構すごい衝撃だったような。
恐る恐る扉の向こう側を覗いてみる。
「いってぇ」
げげっ‼