不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


おでこを押さえ付けて痛そうに顔をしかめるその男子は、いつか愛翔と一緒にいた不良軍団の中の一人だった。



金髪のその髪に自信に満ち溢れた力強い瞳。



整った端正な顔立ちを思い出して、あたしの心は一瞬で怯んだ。



「ごめ、ごめんなさいっ‼」



よく確認もせずに扉を思いっきり開けちゃったせいで、こんなことになってしまった。



すごい音だったし相当痛かったに違いない。



しゃがみ込んで痛さに耐えるその金髪君を見ていると、申し訳なさで胸がいっぱいになった。



「あ、あの……大丈夫ですか?」



同じようにしゃがみ込んで恐る恐る顔を覗き込む。


< 132 / 266 >

この作品をシェア

pagetop