不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


「今までの彼女とは……どうして別れたの?」



こんなことをハルに聞くのは間違っている。



知りたいなら直接本人に聞けばいいだけのことなのに。



今のあたしにはその勇気がない。



「さぁな。あいつはあんまり自分のこと話さねぇし」



「……そっか」



「まぁでも────」



しゅんと肩を落とすあたしに、明るい口調でハルが言葉を続ける。



「美久は今までの女とは違うし……安心していいんじゃね?」



タバコを吸っていない方の手の平が、ポンッとあたしの頭を優しく撫でた。



とっさのことにびっくりして思わず後ろに尻もちをつく。



「こんなことで動揺するって相当ウブだな」



「なっ……あなたが軽いだけでしょ?」



頭を撫でるなんて、知り合ってすぐの人にすることじゃないもん。



どこまで軽いんだか。


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